平成7年の阪神・淡路大震災では誰もが想定しなかった場所と時間に大地震が起きました。

当時、行政サイド(公助)は出来る限りの救助を試みました。しかし、救急車や消防車が入れずに、地域の助け合いで助かった命が多かったので、共助の必要性が言われました。

  • 自助:自分で自分を助けること
  • 共助:家族、ご近所など地域コミュニティで共に助けあうこと
  • 公助:行政による救助や支援のこと

自助・共助・公助については「災害時の自助・共助・公助(三助)の重要性と救急処置方法を知ろう!」で解説しております。

その後の東日本震災、熊本地震と行政は災害時おける医療事業の取り組みを構築しました。

DMAT(災害派遣医療チーム)は2005年に発足されていますが、厚労省によると地震の規模などに応じて各都道府県が動くという事で、統一化はこれからの課題の様です。

実際の地震の現場では、救急車や消防車がビルの倒壊や道路の破壊で通れない事もあるため、共助の必要性は相変わらず言われており、救急蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使い方の講習会は各地でけっこう盛んに行われています。

今回は、救急蘇生法とAED(自動体外式除細動器)について紹介したいと思います。

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災害時における一時救命処置

救急蘇生法

災害時において、自分の身を守ったあとに避難している途中で道に倒れている人を見かけることがあるかと思われます。

意識がなく、呼吸も止まっているかもしれない。

そんな状況に出くわした時、実のところ「どうしていいかわからない」という人が多くいるのではないでしょうか。

日頃から一時救命処置(救急蘇生法とAED)について知っておけばパニックにならずにすみますし、救急蘇生法を知っていれば一命をとりとめる事ができる可能性が大きいと思われます。

救急蘇生法の必要な場合と手順についてまとめてみました。

救急蘇生法の必要な状態と手順

救急蘇生はどういう状態の時に必要でその手順はどうなっているのでしょうか?

救急蘇生法の必要な状態

覚えている方もいるかと思いますが、相撲の地方巡業である市長さんが突然倒れて急変しましたよね。

とっさに出てきた2人の女性が救急蘇生法を行い、早期治療を施されたので市長さんは早期に回復する事ができました。

あのように救急蘇生法とは容体が急変した人の命を守るために必要な知識と技術のことでそういう状態になった時に必要とされます。

倒れている人に対し呼びかけをしても反応がなく、息をしていない場合には救急蘇生法を行う必要があります。

救急蘇生法の手順

  1. 倒れている人や災害時などの避難途中で柱や梁に挟まれた人を発見したら、意識があるかの確認をし安全な場所へ移動させます。
    その際に、周りの人に協力を要請するために声をかけましょう。
  2. 耳元で「もしもし、わかりますか?」などと声をかけ、軽く肩をたたくなどして意識の有無を確認します。
    それと同時に周りの人に協力を求め、119番通報とAEDの手配を依頼します。
  3. 胸と腹部の動きを見て呼吸をしているか確認します。(10秒以内)
    呼吸がなかったり、しゃくり上げるような呼吸がみられたら直ちに心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行います。
    呼吸をしているかどうか分らないと感じた際も心臓マッサージを行って下さい。胸の真ん中を両手を重ね5cm位沈むように、1分間に100回ほど押します。

    人工呼吸が出来る場合は

    ①気道の確保をします。

    ②顎を後ろに引き上げるようにし、頭を後ろにのけぞらせます。

    ③口から空気を入れ人工呼吸をします。
    ガーゼやハンカチを口にあててもいいですが空気の入りが悪くなります。

    ④胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回の割合でします。
    救急蘇生法

     

  4. AED(自動体外式除細動器)が到着したら電源を入れて音声ガイドに従って行動します。
  5. 電気ショック後も即救急蘇生法を継続して行います。
  6. 救急隊がきたら引き継ぎます。

参照元:消防庁ホームページ

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AEDについて

AED

AEDとは自動体外式除細動器といいます。

わが国では2004年に一般市民のAEDの使用が認められて以来、累積台数も2010年には25万と普及が進んでいます。

学校や役所など公的機関のみならず、会社やバス、スポーツ関連施設など多岐にわたって普及されているのが現状です。

AEDを普及している団体があるほど、普及率は年々増えていきます。その講習会も各地で行われています。

災害時のみならずAEDの使い方を知っていると人の命を助けることもできるのです。

ここでは、AEDの使い方の手順を紹介しましょう。

AEDを使う必要性のある状況

先ほどの救急蘇生法と同様に声掛けにも反応がなく、意識がないと思われる状態で呼吸も浅いかまたは胸腹部の上下運動がなく、呼吸が停止していると思われる状態の時に救急蘇生法とAEDを使う必要性が出てきます。

AEDを使う手順

電源ボタンを押すと音声ガイダンスが流れますので、それに従って行っていきます。

  1. 上半身の衣服を脱がせてください。
  2. 胸が露出したらグレーのプラスチックケースをあけて2枚ある白の電極パッドを取り出します。
  3. AEDのパッド

  4. 2枚のパッドには体のどこに貼り付けるかの絵が描かれておりますので、その通りに体にしっかりと貼り付けます。
  5. 貼り付けると「体に触れないで下さい」と音声が流れ自動的に心電図の解析がはじまりますので、体から離れて待ちます。
  6. AEDが電気ショックが必要と判断した際は音声にて「ショックが必要です」などと流れ、自動的に電気ショックを行うための充電が開始されます。(数秒間)
  7. 充電が完了すると「ショックボタンを押してください」などの音声が流れ、ボタンが点灯しますので音声に従いボタンを押します。
    この際、必ず誰も傷病者に触れていないことを確認してからボタンを押して下さい。
  8. 電気ショックが完了すると「心臓マッサージ(胸骨圧迫)を開始して下さい」などの音声が流れますので、先ほど説明した救急蘇生法の手順にもあったように、心臓マッサージと人工呼吸を行います。2分たったら自動的に心電図の解析が行われるので、電極パッドは傷病者に付けたまま行って下さい。
  9. 2分後に再び心電図の解析が行われ、必要であれば電気ショックをするための音声が流れますので、4~7を救急隊員が到着するまで音声に従って行動して下さい。

参照元:消防庁ホームページ

AEDには色々種類がありますが、基本動作は同じです。
電源ボタンを入れると音声ガイダンスが流れますので、その通りに行動するようにして下さい。

たいさくんたいさくん

思ったより難しくなさそうだね!

さいごに

今回は一時救命処置である救急蘇生法とAEDの使い方や手順について紹介しました。

これらを知っておくといざという時にパニックにならずにすみますし、一命を取り留めることもできるのです。

AEDは一般の人でも使用できますので、講習会をうけておけばより自信をもって操作できるでしょう。

機会があればぜひ講習会に参加してみてください。

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