いつ発生するか誰にも分からない地震。

もし地震が発生した場合、あなたはどのタイミングで避難しますか?

もしくは避難しませんか?

そもそも目の前で地震が発生したとき、本当に避難のタイミングを考えて行動ができるのでしょうか?

今は平和に暮らしている時間だからこそ、地震の揺れを想像しながら避難のタイミングを考えることができますが、実際は避難のタイミングをこのときだから避難しようと判断するのは非常に難しいです。

何故ならば、周囲の状況が瞬時に正確に把握できない、次の揺れがいつどの程度で来るのか分からないからです。

とは言っても、ご自身の身を、そして家族全員の身を守らなけらばなりません。

地震が発生したときの避難マニュアルなどはあくまでもマニュアルで、地震のときは、状況が刻々と変化していきます。

そのため、最終的にはご自身やご家族で避難するタイミングを見計らって行動せざるを得ませんので、これまでの震災の経験を判断材料の一つにしていただければと思います。

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緊急地震速報が鳴り響いたら、地震が発生したらまず身を守る行動を

地震で揺れている本棚と親子

携帯電話やスマホから緊急地震速報が鳴り始めたら、地震はすぐ目の前まできています。

また、地震が発生し、揺れ始めると周囲の家具などが次第に凶器に一変します。

大型家具や窓ガラスから離れ、揺れが収まるまでは、丈夫な机やテーブル、ベッドの下に身を潜めましょう。

近くに丈夫な机やテーブルなど頭を守る物がないときは、頭の上を両手で覆い、頭に物が直撃しないように守ります。

大きい揺れがおさまっても、その後、余震は何度でも続きます。

一度揺れが弱くなったからと、安易に行動を起こすのは危険なので、余震が続いている間はご自身の身をしっかりと守り続けましょう。

注意するポイント

  • 揺れたからといって慌てて外に避難しない
  • 大型家具や窓ガラスから離れる
  • 慌ててガスコンロの火を消しに行かない(震度5相当の地震の場合、ガスメーターが自動的にガスを遮断します)
  • 揺れがおさまった後の行動

    家

    地震の揺れがおさまった後、家の中に留まるのかそれとも外へ避難するのか判断に迷います。

    しかし、まだ避難の段階ではありません。

    揺れがおさまったときは、冷静にあらゆる状況を確認する必要があります。

    身の回りの確認

    ご自身や家族に怪我はないか確認します。

    無事が確認できればよいのですが、万が一怪我をしてしまった場合は、備蓄している救急用品などで応急処置を行います。

    その場に救急用品がないときは、足元の安全を確保した後に、救急用品を用意して応急処置を行います。

    周囲の確認

    身の回りの確認で無事を確認した後、周囲の状況確認を行います。

    地震の揺れによって多くの物が倒れていたり、陶器やガラスが割れて散乱していたりと非常に足元が危険です。

    身近に靴やスリッパがある場合は、履物を履いて足元の安全を確保します。

    身近に履物がない場合は、クッションや本などで足場をつくり足元の安全を確保します。

    災害規模の確認と情報収集

    近所の火災の発生状況、建物の壁や基礎の亀裂や割れの状況、ガス漏れの状況などを確認し、また海抜の低い地域で津波の危険性が高い地域は防災無線などで情報を収集します。

    経験上の話をしますと、夜間は建物全体の被害状況の把握は難しく、日が昇り、はじめて被害の全容が分かってきます。

    また、津波がきているなど、人を伝って不確かな情報が錯綜します。

    ただでさえ混乱している状況の中で、何が正しい情報なのか判断できず、取り敢えずむやみに避難する状況が発生します。

    災害規模の確認は、確認できる範囲で危ないと判断した場合は、避難の判断となります。

    情報収集は、スマホアプリの防災情報自治体など公的機関が発信する情報を収集しましょう。

    実際、災害時にリアルタイムで情報収集ができる可能性の高い、SNSを利用する方が多くいますが、真実でない情報も飛び交うのであくまで補完的な使い方に留めておくことが必要です。

    注意するポイント

  • やみくもに外に飛び出さないこと
  • 足元の安全確認はしっかりと行うこと
  • SNSで得た情報は鵜吞みにしないこと
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    避難のタイミング~直ちに避難しなければならないケース~

    避難所に誘導する人と避難する人
    ご自身の身が危険にさらされる可能性がある場合は、直ちに避難をする必要があります。

    1回目の大きな余震で住宅の倒壊が少なかった熊本地震では、2回目の本震で多くの家屋が倒壊しました。

    住宅の損傷具合のみならず、土地が軟弱地盤であれば大きな地震で倒壊する可能性を十分に秘めています。

    また、避難道中は、道路に家が倒壊していたり、水道管が破裂していたり、電線が切れて垂れ下がっていたりと、危険箇所がたくさんありますので、可能な限り周囲に何もない場所を選んで避難する必要があります。

    直ちに避難しなければならないケースは以下の通りです。

    • 避難勧告や避難指示が発令された場合
    • 住宅倒壊の危険がある場合(損傷大、軟弱地盤)
    • 周囲で火災が発生している場合
    • 土砂崩れが予想される場合
    • 津波が予想される場合

    直ちに避難する際に注意するポイント

    • 避難道中の隆起や亀裂
    • 建物に近寄らないこと
    • 電柱の近くに寄らないこと(電線が切れている可能性あり)
    • 貴重品を家に残さない
    • 犬などペットはゲージに入れること

    避難のタイミング~安全のために避難するケース~

    手を繋いでいる家族

    建物の安全が確認でき、火災の危険性がないことが確認でき、直ちに避難するに至らない場合で、停電が復旧しなかったり、断水から通水の目処が立たないなど、今後、日常生活に影響を及ぼす恐れがある場合は、安全のために避難します。

    安全のために避難するケースは以下の通りです。

    • 建物内に身を守る安全な場所が乏しい場合
    • 建物の出入口が変形し、避難が困難と予想される場合
    • 余震で建物内にいることが不安となった場合
    • ライフラインが寸断された場合(特に生活用水や飲料水)

    安全のために避難する際に注意するポイント

    • ガスの元栓を止めること(プロパンガスの場合は、ボンベの栓を締めるとよい)
    • 電気のブレーカーを落とすこと
    • ※他は直ちに避難する際に注意するポイントと同様

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    避難したら家に戻らない

    一度家から外に避難したら、荷物などを取りに戻らないことが鉄則です。

    何故ならば、家に戻っている最中に本震がきて家屋が倒壊し、瓦礫の下敷きになったり、津波に流されたりする恐れがあるからです。

    安全が確認できるまでは家に戻らないようにしましょう。

    まとめ

    地震が発生したら、まずご自身の身を守ること、家族の身を守ることを最優先し、地震の揺れがおさまってから身の回りや周囲の状況をよく把握し、安全を確認してから行動することを日頃から肝に銘じておきましょう。

    また、地震の状況は刻々と変化していきますので、予め避難マニュアルを暗記しても身を守れるかどうかは別問題です。
    自治体などが作成している避難マニュアルは、あくまでも参考として捉えておく必要があります。

    最終的に避難のタイミングは、身に危険が迫っているとご自身で判断したその時です。

    ここでは今後どこで発生するか分からない地震の対策として活かしていただきたく、避難の判断材料を震災の経験をもとに記載させていただきました。

    最後にSNSでのやり取りは震災で一番有効な手段であることは間違いありませんが、情報の中には真実ではないことも多く、様々な情報が拡散されています。

    有効な連絡手段ではあるものの、避難をするための判断材料の情報としては信憑性に欠けるため、くれぐれも参考程度に留めておきましょう。

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