最近次々と起こる地震、台風、土砂崩れなどのニュースを目にするたび、私も万一に備えておかなくちゃ!と焦りのようなものを感じております。
改めて災害・緊急事態について考えた時に、重要だと思ったことについて書きたいと思います。
それはズバリ、「もしもの時に避難所へ行くのか?在宅避難を決意するのか?」です!
みなさんは大丈夫かもしれませんが、私は水害が続いた時期に「迷わず避難を!」「素早い判断が命を救う!」なんてフレーズをずっと聞いていたため、「何かあったらすぐに避難所へ行こう!」といつの間にか心に決めていました。
でもよく考えたら、災害にもいろんな種類がありますし、人によって住宅設備・立地環境・家族構成など様々なんですよね。
ならば、避難方法もそれぞれ違うはず!と突き詰めて考えることにしたのです。
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目次
避難所ってどんなところ?
まず避難所について考えてみましょう。
避難所が誰でも受け入れてくれて、安全かつ快適な場所なら、そこへ行くのが一番な気がしますものね。
避難所の定義
避難所とは、一時的に被災者が生活する場所として提供される施設で、みなさんテレビなど映像で見られた事があると思いますが、学校や公民館であることが多いです。
メリット
避難所では、自衛隊などにより水や食糧が届けられ、被災地の中では食糧が確保しやすい場所であると言えます。
各施設に備蓄してある食糧などもありますし、災害発生後すぐは難しいかもしれませんが、数日経てば、物資も届きやすくなり、炊き出しなども行われるようになるでしょう。
また、人が集まっている分情報は入手しやすいでしょうし、心強い、励まし合える、というのは大きなメリットでしょう。
デメリット
やはり老若男女、数多くの人との共同生活になるわけで、プライバシーもなかなかありません。
よく聞く話が、体育館に雑魚寝。
人一人がようやく寝転べるスペースが自分のスペース。
着替えるのも人目が気になり、ままならない。
みんなが寝静まった後、トイレに行く事さえ大変で我慢したり、元々トイレに行く頻度の高いお年寄りはそれを気にして、隙間風の厳しい出入り口付近で寝ているとか…。
あって欲しくないことですが、混乱に乗じて、盗難被害があったり、性犯罪なんてことも…。
もちろん、そんなことのないように気をつけて運営されていることでしょうし、みなさん必死で協力されていると思います。
ですが、みなさん不安を抱え、ナーバスになられている中、ちょっとしたことでもめ事が起こりやすくなるのも容易に考えられますよね。
あと、先ほど食糧が得やすいことがメリットだと書きましたが、様々な体験談に目を通していると、長蛇の列に並び、数時間後にやっと自分の番がきたと思ったら、ほんのわずかな量だけだった(例えば、ビスケットが二枚だけだったなど)、ということもあるようです。
物資が充分に届くようになるまでは、災害の規模・範囲・状況によって満足な食糧を得られないこともあるということを忘れてはいけません。
避難所を利用する際、特に注意すべき人とは?
みんな同じ被災者として避難するわけですが、特に慎重に判断すべき人がいます。
乳幼児連れの方
これは、小さなお子さんを抱えておいでの親御さんは、肩身の狭い思いをするかもしれないからです。
赤ちゃんは当然泣きますよね。
当たり前のことです。
何も悪いことではないのですが、普段でさえ夜泣きやなかなか泣きやまない時には、近所のご迷惑になっていないか気にされるでしょう。
みなさん疲弊されていて、仕切りもほぼないような状態だと、どうしても周りの目が気になりますよね。
おむつ交換の際の匂いにも気を使うでしょうし、授乳はどこでしよう…。
小さなお子さんも普段と違う不便&不安な生活でぐずりやすいかもしれません。
「お家に帰りたい」「お腹が空いた」「こんな所嫌だ」と泣き出すかも…。
できるだけ不安を和らげるように、また気持ちを汲んで「そうだね。そうだね。お母さんもだよ。」と優しく、自然に我が子が泣きやむまで抱きしめてあげたいと思いませんか?
でも、「こっちだって帰れるもんなら早く帰りたいわ」「疲れてるのに、うるさい。早く泣きやませて」なんていう人がいたら…。
つい感情的に「静かにしなさい」「いい加減にしなさい」と言ってしまうかもしれません。
ご高齢の方
お年寄りは出される食事では固くて食べられない、なんてことがあるかもしれません。
また避難所では、床にダンボール一枚敷いた所に寝る、ということが多いようです。
普段は腰が痛く起き上がるのが楽だからベッドで寝ている、などという場合も、身体的につらいでしょう。
ペットを飼っている方
動物を飼っていて我が子同然、家族の一員なんだから避難も一緒に、と考える方もいらっしゃるでしょう。
その場合、避難所により対応が違います。
そもそもペットの同行避難を受け入れていない所と、避難者と同じスペースでの避難が可能な所、避難は可能であるが飼育スペースを分けている所。
同行避難が可能な場合でも、鳴き声、ペット用の食べ物、排泄関連のことなどで悩んでしまうのではないでしょうか。
食物アレルギーの方
避難所ではみんなで共同生活をするのですから「あるものをみんなで分け合う」という精神がはたらきます。
そんな中、アレルギー持ちの人が、備蓄品や炊き出しのものは食べられないからと、貴重な食料を持参していたとします。
それを食べようとした時、見ていた子どもに「一口でいいからちょうだい」と言われたら…。
食べ物があると聞きつけた他の子どもたちも集まってきたら…。
ここで子どもを悪く言うつもりはありません。
ただ、子ども相手だと良く知りもしない周りが無条件に子どもの肩を持ってしまうことはよくあることです。
「大人なんだから」「子どもがあんなに頼んでいるのに」と。
また、幼いので仕方ありませんが、その子が泣き始めたらどうでしょう…。
やはり大人が悪者みたいに人の目にうつり、一口あげざるを得なくなるかもしれません。
一人に一口あげても、それが大人数だったら、配給される食事が食べられないあなたはどうなるでしょう?
悪いことばかり書いてごめんなさい。
書いていて本当につらくなりましたが、今は考えられる最悪の事態を想定しています。

自分が大変な時でも人のことを第一に考えられる人もたくさんいるよ!

大変な時こそ協力しあうのが大切だよ!
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在宅避難とは?
ここまで話すと、安易に避難所、と考えるのはどうかな、と思うのではないでしょうか?
では逆に、在宅避難とはどんなものでしょう?
在宅避難の定義
それは字の通り、災害時に避難所へは行かず自宅にいるという選択をすることです。
メリット
これだと着の身着のまま避難して着替えさえない、ということもないですし、着替えやトイレの際に人目を気にしなくてよいですね。
赤ちゃんの泣き声や子どもの騒ぎ声による周囲への気疲れもありません。
授乳やおむつ替えなどもしやすいでしょう。
限られた物しか運び出せない避難者より、家中にあるものを使える分、過ごしやすいのではないでしょうか?
デメリット
避難所のメリットの裏返しになるので、ザックリと書きます。
食糧の確保、情報の入手、事態が変わった時の判断を全て家族だけでしなければいけないということです。
みんなで声をかけあう、知恵を出し合う、ということができません。
もちろん、日中身動きが取れるのであれば、情報をもらいに避難所に行ってみるとか、炊き出しなどがもらえないか聞きに行くということはできます。
在宅避難ができる場合とは?
これは家屋が無事だった場合です。
屋根が落ちてきた、床上浸水している、なんて時にはすぐに避難しましょう。
在宅避難が良いと考えられるのは、家屋が崩れる危険性のない時、近くで火災やガス漏れが起こっていない時、お年寄りや乳幼児連れの時です。
在宅避難を余儀なくされる場合とは?
もともと避難所は住民全員を収容できるようにはなっていないようです。
ですので、避難所へ行っても断られることがあります。
(そのため、周りが甚大な被害をこうむっているが自分の家は無事で安全だ、と判断できる場合、収容人数のことも考え、在宅避難を選択肢の一つに入れることも重要でしょう。)
また、屋外の状況が厳しく、避難所へ行くのが困難・危険な場合に、安全を考慮し在宅避難を選ぶ・そうせざるを得ないということもあるでしょう。
結局どうすれば良いのか?
一番重要なことは、普段から「避難所へ行く!」「在宅避難する!」と決めてかからないことです。
見てきたように、どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらかの選択を余儀なくされることもあるということ。
どちらかにしようと前もって決めつけていては、その選択ができなかった時にパニックになってしまうかもしれませんし、準備不足という事態にも陥ってしまいます。
どちらの避難方法をとることになってもいいように、具体的に想像してみてそれぞれに必要な備えをしておくことが大切なのです。
そして、それぞれの立場や状況が違うため、一概にこうするのが良いということはできないということ。
誰かの万一の備えをそのまま真似るだけでは、うまくいかないのです。
いろんなシチュエーションを自分で考え、それに応じた対応を考えておくことが重要だということです。
まとめ
災害の多い国、日本。
防災の第一歩として、まずはどんなことが起こりうるのか想像してみること。
そして今回挙げたような、避難所・在宅避難それぞれのメリットとデメリットをよく理解し、様々な災害別に自分の家の立地環境・同居人の状態を鑑みて対策を練ってみてください。
最後に考え方の例を挙げておきます。
☆「我が家は裏が土手だから、台風の進路が直撃しそうなら土砂災害に備え早めに避難する!」
☆「耐震性の家に建て替えたばかりだし、(家屋から)変な音もなく全く問題なさそうなら、充分な備え(食糧・水・懐中電灯など)もあるし巨大地震が起こっても避難はしない。」
☆「足腰が弱く、地面が波打ってる中避難するよりは家にいた方が安全だ。しかし近くに川があり、もし氾濫したら平屋で二階にも逃げられないから、集中豪雨がきそうならゆっくり歩いても間に合う内に、雨がひどくて歩けなくなる前に、早めに避難しよう」
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