いまだ記憶に新しい、東日本大震災とそれに伴う大津波、熊本地震に西日本豪雨。
直近では北海道に最大震度7の地震が発生しました。
これらの災害により、多くの命が犠牲になり、多くの土地や作物が被害に遭いました。
運よく避難したものの、生活の不便さや余震の恐怖、プライバシーのないストレス、トイレの問題など、数え切れないほどの問題に直面しています。
仕事も学校も生活もままならなく、経済的な問題も発生しています。
現在の日本は、いつどこでどんな災害が発生してもおかしくない状況です。
平和なこの生活が、今日明日にはすべて崩壊していることもあり得ます。
TVやスマホの画面の向こう側にある凄惨な世界が、いつこちら側の現実になってもおかしくない今日この頃です。
ではみなさま、この多発する大きな災害を乗り越えるために、ご家庭での防災対策は万全ですか?
防災対策をしなきゃいけないけど、何から手を付けていいのか分からない、本当に役に立つものを揃えたい。
そんなみなさまにぜひ読んでいただきたい、災害を乗り越えるための、家庭での防災対策についてお話しします。
【スポンサーリンク】
目次
家庭での防災対策は、なぜ必要なの?
家庭での防災対策が必要な大きな理由は、災害発生直後に発生する危険から身を守るためです。
想像してみてください。もしいきなり大地震が発生したら、テレビ・タンス・冷蔵庫・壁掛け時計など普段動かすことのない重いものが一気に動いて倒れてきます。壊れて破片が飛び散ります。その破片が飛んできて、手足を切ったり目に入ってケガをするかもしれない。
豪雨や台風で水害が発生したら、玄関から1階のリビングは全部汚水に覆われ、大切なものは流され、電化製品はすべて壊れ、濁流に足を取られ流されるかもしれない。
そんなことになってしまったら、大切な財産を失うどころか、この時点で自分の命が危険にさらされます。
救助もすぐには来ません。救助される頃にはすでに命がないということもあり得ます。運よく助かっても、障害が残るかもしれません。
家庭での防災対策は、最終的には自分の命を守るためにすることなのです。
【状況別チェックリストあり】家の中で危険なところをチェックしよう
では、家の中で、どこをどう対策すればいいのでしょうか?
例えば地震が起きたら、この部屋のようにたくさんの本が入った本棚はとても危険です。
重い本が勢いよく落ちてきます。本棚が倒れてきます。重い本棚が頭に直撃したら・・・想像しただけでぞくっとします。
このように、まずは家の中の危険な個所をチェックしていきましょう。
まずはキッチンです。
こんなおしゃれなキッチンも、災害が発生したらどうなるか、想像つきますか?
それでは、地震のとき、台風や水害のときに家の中のどういうところが危険か、一緒に見ていきましょう。
地震の場合
キッチン
- 冷蔵庫が倒れてくる
- 食器棚の扉が開き、食器が落ちて割れる
- 炊飯器や電子レンジが落ちてくる
- キッチンの収納扉が飛び出し、中に入っているものが落ちてくる(ボール・フライパン・鍋など)
- キッチンの窓ガラスが割れる
- 置き場所によったら刃物が飛んでくる
- ゴミ箱が倒れ、缶や瓶、生ごみが飛散する
- ガスを使用中だと、ガスによる火災や爆発の危険がある
- IHクッキングヒーターは天板が割れる
- 照明器具の破損
リビング・寝室
- 本棚や本の落下
- 机やいすが揺れで激しく動き、ケガ
- 置物、装飾、写真立てや時計などの落下、破損によるケガ
- クローゼット・タンスの転倒により下敷きになる可能性がある
- テレビの破損、漏電
- エアコンの破損、暖房器具使用中は転倒による火災
- 収納庫の開放により、中のものが一気に外へ出てケガする可能性がある
- 照明器具の破損
- ドアの変形による脱出困難
- 窓ガラスの破損
- ソファやベッドなどの大型家具が激しく動きケガの可能性がある
トイレ・お風呂・洗面
- 便器やバスタブの破損
- 水道管の破損により水が使えなくなる
- 入浴中の転倒によるケガ
- トイレ入室中のケガ
- 洗濯機の転倒、故障
- 洗面台の鏡や扉のガラスの破損
- 液体洗剤の散乱による転倒
玄関・外回り
- 靴の散乱により脱出困難や転倒
- 玄関ドアの変形による脱出困難
- ガラスの破損
- 装飾品の落下
- 照明器具の破損
- 靴箱の転倒
- 車の損壊、事故
台風・水害の場合
キッチン
- 冷蔵庫や炊飯器などの電化製品が水に浸かり、故障・漏電・発火の可能性がある
- 食品が汚水に浸かり食べられなくなる
- 食器や調理器具が流され、壊れる
- 壊れたものや大きな電化製品も流され、ケガをする可能性がある
- ゴミ箱が流され、ゴミが散乱する
リビング・寝室
- 服や装飾品、テレビのなど電化製品の水没・漏電の危険
- 大型家具が流され、ケガをする可能性がある
- 服の水没による脱出困難・低体温
- 汚水による感染症の罹患
- 通帳や現金などの水没・紛失
トイレ・お風呂・洗面台
- 汚水流入により使用困難
- 洗濯機の故障、漏電の危険
- 感染症の罹患
- 洗剤の散乱による二次被害の可能性
玄関・外回り
- 床上・床下浸水による脱出困難
- 靴の水没、散乱
- 衛生状態の悪化
- 車の水没による故障
- 台風などで植木鉢や看板などの飛来
もちろん、ご家庭の構造や間取り・家財の配置によりこれ以上に被害が拡大する可能性も十分にあります。
では、防災対策はどうしたらいい?
このように、災害時には家の中にもこれだけ危険があることが分かりました。
これらの被害、すべてはむずかしいですが、ある程度は対策することができます。
今から家の中の各場所でできる防災対策をご紹介します。
キッチン
- 引き出しや扉が飛び出したり開いたりしないよう固定する
- 冷蔵庫が倒れないよう、天井と冷蔵庫の間につっかえ棒を当てる
- 炊飯器や電子レンジの下に、強力なすべり止めパッドを敷く
- 食器や調理器具は拭き取り乾燥し、なるべく早くしまう
- お菓子やパンなどの軽い食品はできるだけ高いところに置き、水害から守る
- 可能なら普段からコンセントを抜く癖をつける
- ゴミをため込まずこまめに出す
とびらロック キャビネットストッパー
戸棚の扉が地震の揺れによって開閉するのを防ぐことが出来ます。
家具転倒防止突っ張り棒
家具と天井を突っ張り棒で固定することによって家具が転倒するのを防ぐことが出来ます。
テレビすべり止めジェルマット
テレビの下に敷き滑り止め効果があります。
リビング・寝室
- 大型家具の下に転倒防止具やすべり止めを敷く
- いざというとき用の靴や衣服を準備しておく
- 置物や時計の下にはすべり止めマットを敷く
- 本棚に必要以上に本を詰め込まない
- ベッド周辺に本棚やクローゼットを配置しない
- テレビに転倒防止ベルトをつける
家具転倒防止安定板
タンスなどの家具の下(前側)に敷くだけで地震による滑り出しを防ぎ転倒しにくくすることが出来ます。
TV 家具 固定器具 転倒防止ベルト
テレビや家具などの背面と壁を繋ぐことによって前面に転倒することを防ぐことが出来ます。
家具や壁に穴をあけ、ねじで固定する必要があります。
トイレ・お風呂・洗面台
- 割れない素材の鏡を使用する
- トイレやお風呂に長居しない
- ラックにむやみにものを置かない
- 洗剤類はきちんとふたやキャップを締める
割れない軽量ミラー
転倒しても割れない全身鏡となります。
そのためガラスが飛散することが無く避難の妨げや怪我を防ぐことが出来ます。
玄関・外回り
- 靴箱の転倒防止につっかえ棒や器具を使う
- 靴はこまめに、なるべく高いところへしまう
- 庭にものを置いたままにしない
- 台風が来ることがあらかじめ分かっていたら、ガーデニング用品は片づける
その他
- 窓ガラス破損予防シートを貼る
- 階段に手すりをつけておく
ガラス飛散防止シート
ガラスに張るだけで、ガラスが割れ飛散するのを防ぐ効果があります。
【スポンサーリンク】
【チェックリストあり】防災グッズは何があればいい?
防災対策としてご家庭でもっともなされていることが、備蓄でしょう。
現在、災害のための備蓄は少なくともそれで一週間生き抜くための準備が必要と言われています。
みなさんなら、何を準備しておきますか?
ひとにより必要なものというものはさまざまだと思いますが、ここでは最低限これは必要というものをまとめましたので、まだ準備ができていない方は参考にしてください。
- 飲料水(1人1日2リットルの水分が必要ですので、1週間では約15リット必要です)
- 非常食(なるべくお湯や電気を使わないこと、エネルギー源である糖質を摂取できるもの)
- 非常用トイレ(災害時トイレは使えないものと思いましょう)
- ライト、ろうそくなどの照明を確保するもの
- ラジオ
- ウエットティッシュ
- 乾電池
- 靴下またはスリッパ
- 電池または手回し充電式の充電器
- 包帯や絆創膏などの衛生用品
- 割りばし
- カイロ
- アルミシート
- 軍手
- 常備薬
防災リュック 地震対策30点避難セット(2名用)
防災士が厳選した非常持出し用の防災グッズとなります。30種類2名分の防災グッズが1つのリュックに収納されております。
玄関などすぐに持出し出来る所に置いておきましょう。
ひとつひとつ揃えていくと、実にたくさん、しかもとても持ち運べないくらい重いのです。
揃えるのが大変な場合は、このように最初からセットになっているものを購入しておくのもいいでしょう。
家族の状況によっては必要なものが変わります
たとえば女性の場合は生理用品が必要です。下着も上下必要です。プライバシーを守れるようなものも必要です。
介護が必要な方はおむつが必要です。赤ちゃんがいればおむつの他にミルクも必要です。
妊婦さんがいれば下半身の清潔を保てるような準備が必要ですし、目が悪い人は眼鏡が必要です。
このように、人によっては必要なものが変わってきます。
女性の生理用品や高齢者のおむつに関しては、非常用品のなかに一緒に保管することができます。
赤ちゃん用品に関しては、成長によりサイズや必要・不必要が変わりますので備蓄はむずかしいでしょう。
その場合は、普段から多めに購入しておき、使いながらいざというときにも持ち出せるようにしておきましょう。
まとめ:災害を乗り越えるためには、日常での備えが大事!
このように、日常での備えは一見面倒ですが、少しずつでもしておくことで、いざというとき役に立つものです。
いきなりすべてに手をつけるには、費用もかかることなので余裕がないと大変です。
掃除のついでに今日はすべり止めマットを準備しよう、今日は非常食を2つ買っておこう、などと少しずつ準備すると無理なく対策できます。
大切なのは毎日防災意識を持っておき、あらゆる事態を想定しておくことです。
ここに挙げた防災対策は決して万全ではありません。
これさえやっとけば大丈夫、という保証はありません。大切なのは、日々家庭で「こういうときはどう行動するか」「どうやって身を守るか」を話し合い、家族みんなで防災意識を持つことなのです。
明日は我が身です、今一度ご家庭の防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。
【スポンサーリンク】