防災や災害時に必要とされている考え方として自助・共助・公助の三助があります。

そこで、まずはじめに自助・共助・公助とは何なのかというと

  • 自助:自分で自分を助けること
  • 共助:家族、ご近所など地域コミュニティで共に助けあうこと
  • 公助:行政による救助や支援のこと

となります。

災害が起こった時、まずは自分の身を守ること(自助)が優先されることは言うまでもありません。

次には誰かの命を助ける(共助)ことは重要で、必要な場合に遭遇したら助ける術をもっているにこしたことはありません。

現に平成7年の阪神・淡路大震災では倒壊した家から生き延びることの出来た人の8割が家族或いは近隣の人に救出されている(共助)というおおまかな調査結果が出ています。

公的援助という意味においては、DMAT(災害派遣医療チーム)が消防と提携し、公的援助を進めています(公助)。
しかし一方では津波などによって行政自身が大きな被害を被ったという事実もあります。

阪神・淡路地震を体験した人の話によると救急車や消防車などは、倒壊物によって入ってこれないケースが多く、結果的に人為的な助け合い(共助)で倒れている人を助け合い、それらで助かった人が多かったという事です。

結果的に言われているのは、まず自分を守って避難する自助、それから共に助け合う共助の精神で、しかも公的機関に助けを求める公助、災害においては能動的な行為が1人でも多くの命を助けることになります。

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自助の重要性・具体的行動

机の下に避難する人

災害が起こった時どこにいるのか事前には想定できませんが、基本的には自分の身は自分で守るというが重要になります。

ここでは自宅にいる場合と、外にいる場合で具体的にどういった行動をとればいいのかという事を簡単にまとめてみました。

自宅にいる場合

①地震が発生したらまずはパニックにならず、大きな家具などの下敷きにならないよう机の下などに身を置き、大きな揺れがおさまるのを待ちます。

②少し揺れが収まったら、避難ルートを確保します。
例えばベランダやバルコニーに「避難ハッチ」が設けられている場合は、はしごをさげるか、「隔て板」をけ破って隣に移動して「避難ハッチ」の方に移動します。

③状況に応じて避難所に行く場合は、防災グッズを背負い避難します。

避難のタイミングはとても重要です。
「地震発生時の避難のタイミングと注意すべきことは?」の記事で詳しく説明しておりますので、合わせてご覧ください。

たいさくんたいさくん

日頃から避難ハッチの点検の際は立ちあって使い方や、避難の仕方を学んでおこう!

外にいる場合

・電車などにいる場合は、車内放送の指示に従いましょう。
人ごみにいる場合は、走りだしたりすることはやめて、パニックにならない様にまずは落ち着きましょう。
パニックになることで思わぬ事故を誘発する事になりかねません。

・もし地下街などにいて停電した場合は、パニックが起こる危険性が高いので壁伝いに歩いて避難します。

・避難の途中近くに火災が起きていて煙が出ていたら、ハンカチや手で口や鼻を覆い、低い姿勢で移動しましょう。

・海岸近くにいる場合は高台に移動しましょう。川の近くにいる場合は川の流れに対して直角に素早く非難しましょう。

・住宅街では屋根瓦やガラスの破片などの落下に注意しましょう。甲板やネオンなどの落下にも注意が必要です。

・大木の倒壊や電線の垂れさがりには絶対に接触しない様にしましょう。

・外には危険がいっぱいです。耐震構造の十分でないビルでひびが入っている場合は出来るだけ近ずかないようにするように注意しましょう。

・夜間は目視しながら避難しましょう。

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共助・災害時の助け合いの重要性・具体的行動

救急蘇生法

「共助」の場合は、災害が大きいほど救急車が来るのが遅れるケースが多いので救急蘇生法をしっている事で慌てずにすみます。

共助の流れを簡単に紹介していきましょう

①避難の途中で倒壊の下敷きになっている人がいたら、他の人を呼んで複数人数で助けましょう。
「誰か来てください!」と大声で協力を求めます。

②柱や梁に挟まれた人を発見したら意識があるかの確認をして励まします。
車のジャッキの活用も出来る場合もありますし、てこの応用で引き出せる場合もあります。

③意識がなく呼吸がない場合、救急蘇生法が分かる場合は実施しましょう、
協力してAED(自動体外式除細動器)があればその使い方を知っている人に助けを求めます。それと共に119番に連絡します。

④救急車が入ってこれない場合や、間に合わない場合もありますので、緊急の時の救急蘇生法や軽いけがの処置法は学んでおきましょう。

救急蘇生法やAEDについては「救急蘇生法の手順とAEDの使い方を把握しておこう!」の記事で解説しておりますので、合わせてご覧ください。

救急蘇生法やAEDについて知っていれば一命をとりとめる事ができる可能性が大きく上がりますので、分らない方はもちろん、知っている方ももう一度再確認して下さい。

公助・公的援助

災害発生時は、72時間以内が救助の勝負と言われています。

大きな災害が起こった時、政府は自衛隊、消防署、警察救急隊、災害派遣医療チームなどを駆使し避難所の開設、救援物資の搬送仮設住宅の建設などさまざまな活動を行います。

しかし、DMATと呼ばれる災害派遣緊急医療チームの動きも災害の規模により各都道府県に任されており、全国で統一化されていないのが現状です。

救急車、消防車なども過去の地震によると、道路の破壊や倒壊などでその機動性が十分活かされていなかったのが現状です。

東日本大地震後には様々な今後の課題が出されています。

さいごに

消防隊員

災害に関して、自助、共助、公助について考えてみました。

過去においてそれぞれの反省を基に公助の根幹である行政は取り組みを改めていますが、やはり一番大切なのは自分の身は自分で救うという自助の精神です。

能動的に動いて人を助けるという共助の精神があったからこそ多くの人の命が助けられたという事実もありますし、実際、現場では共助が必要とされています。

そのためには日頃からコミュニュケーションを取って、どこに誰がいるかくらい知っておくといいですね。

公助においては、72時間以内の命の救助が優先され、それを目標にそれぞれの連携のもとで活動が行われてきました。

災害時の緊急医療に関しても、大きな災害であれば行政自体も被害を被るといった事も考えられます。まだまだ、多くの課題が残されています。

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