自分の住んでいる家の耐震構造などを知っていますか?
阪神・淡路大地震の負傷・死者の約8割が建物の倒壊によるものでした。その後の東北地震、熊本地震、北海道地震も家の倒壊の問題はあきらかです。
防災対策というと避難時に持って行くものや避難経路や避難訓練等はよく言われていますが、住宅の耐震化にも目を向ける必要があります。
特に今後家の購入を考えている人には事前防災として耐震に関する法律と建物の現状をよく知っておいてもらいたいことです。
事前防災という言葉を初めて聞く方もいるとは思いますが、地震の最初の一撃による被害を軽減することです。
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耐震に関する法律と建物の現状
1981年の6月1日に建物基準法施行令改正という法律が出来て、この年の前後で建物の大地震への安全度はかなり違うと言われています。
これは1978年の宮城県沖地震を受けて改正された新耐震基準と言われるものです。
新耐震基準とは

一口でいうと大きな地震がおきても人命にかかわる大きな被害が出ない事だよ
旧耐震基準は1950年に制定され、その後1981年に新耐震基準として改正されました。
具体的には
- 旧耐震基準(1950年制定)
震度5程度の地震で倒壊しないこと - 新耐震基準①(1981年改正)
震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと - 新耐震基準②(1981年改正)
震度6強~7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと - 2000年基準
木造住宅耐震基準強化として2000年6月に改正
となっており、この差は国土交通省のリポートの阪神・淡路大震災に顕著に現れました。
熊本地震でも同様に新耐震基準を満たしていない建物の倒壊が新耐震基準を満たしている建物の倒壊を22.5%も上回っています。
新耐震制度の基に作られた建物は、明らかに倒壊率が旧耐震制度のそれに比べて低いデータが熊本地震の倒壊率からも出ています。
耐震化チェックシート
- 1981年6月1日以前に建てた家である
- 過去に床上・床下浸水・火災・地震などの大きな災害にあったことがある。
- 埋め立て地・低湿地・造成地に立っている。
- 建物の基礎が鉄筋コンクリート意外である。
- 壁や天井にひびが入っている。
- 物の立て付けの悪さ、柱や床の傾きを感じる(ボールが転がる等)
- ベランダ、バルコニーが壊れている。
- 屋根が重く1階に壁が少ない。
- 建物の基礎が木製である
- 地盤サポートマップでの揺れの度合いが高いので心配
この中でチェック項目が多い場合は不動産への連絡、マンションであれば管理組合に連絡し、建築技師などの専門家に相談の上、総合診断してもらいましょう。
上記以外でも気になる点の観察ポイントとして(特にマンションの場合)
- 壁紙のずれの有無がないかどうか観察をする。
マンションの壁は基本コンクリートでできているので、その上に壁紙が張られています。壁紙にしわがよっていたり、ずれがあったりすればその中のコンクリにクラック(ひび)が入っている場合があるので、管理組合もしくは管理会社に相談してチェックしてもらう。
- 総合メンテナンスが定期的に行われているか、その結果はどうなっているのかを把握しておくことが必要です。
特にベランダやバルコニー等はクラックが出やすいので、不安があれば総合メンテナンスの時やマンションの会議などの時などに相談をした方がいいでしょう。
熊本地震の倒壊状況は阪神・淡路とさほど変化がなく、平成10年で68%、平成20年には79%、平成25年には82%の耐震化が進んでいます。
しかし、2018年9月6日には北海道地震が起き建物の倒壊もあり、政府が目標としている平成32年に95%にするという目標は遠のきました。
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耐震化を増やすために行われていること
国土交通省が行ったアンケートによると、耐震化を必要と思っていない人が約70%いました。
その中には地震は起こらないと思ってる人がおり、後の30%は金銭的問題で耐震化チェックができないというものでした。
そのため、全国の自治体が耐震診断や耐震補強に補助を出す仕組みをつくっているのことを知っていますか?
金銭的補助を出すなどして活動している東京の墨田区や足立区などもそうです。
その他、東京都では耐震化、耐震診断、耐震改修、耐震助成などを行っています。
9月に起きた北海道地震も、北海道では耐震化活動を行っていました。
ご自身の住んでいる地域の自治体がどのような耐震化を行っているかを調べ、金銭のサポート体制があるならば耐震化を考えましょう。
平成30年6月に政府の地震調査委員会が、全国各地で震度6以上の地震が起きる確立を出していますが、どこにも0%の場所はありません。
地震災害はいつどこで起こってもおかしくないのです。
さいごに
今回は事前防災と言われている建物のことについて考えてみました。
これから、マンションや一戸建ての購入を考えている方は地盤サポートマップなども活用し、しっかりと考えていった方が効果的かと思います。
地盤サポートマップは誰でも無料で使用することができます。
無料で使える【地盤サポートマップ】とは?使い方の基本まで解説!で解説しています。
また、まだ耐震化をしてない人も全国の自治体で行われている色々なサポート制度の情報の収集をして、相談機関に相談したり、サポート制度を利用して耐震化を図りましょう。
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