前回の地盤サポートマップの使い方の基本では地耐力を中心として生活情報・防災情報と地震の揺れやすさなどを見る基本的な方法を紹介しました。

地盤サポートマップとは何か?から基本的な使い方について無料で使える【地盤サポートマップ】とは?使い方の基本まで解説!にてまとめております。

地盤サポートマップは基本的な設定だけでも十分に活用できますが、名前の通りの地盤情報だけではなく、使い方によって様々な情報を得ることができる大変便利なマップです。

そこで今回は地盤サポートマップの基本的な使い方から少し踏み込み、応用編として地盤情報や避難所情報、背景地図、過去の航空写真の見方などの活用方法についてをご紹介致します。

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地盤情報の活用方法

ここでは地盤サポートマップの地盤情報の活用として、地盤力の見方と地盤が弱いとどういった影響があるのかを説明します。

地耐力の見方

地盤力

使い方の基本でもお伝えしましたが、地盤サポートマップの空白欄に調べたい住所を入れると紺色の風船のマークが出てきます。

この時点でわかることは地盤の状況です。
地盤の強さと色分けは右上に書かれてあるので、わかりやすいかと思います。

画像の様に色によって区切られたマップがなぜ見れるかというと、地盤サポートマップの左側にある「画面切り替えはこちらから▲」という画面がでていますね。

ここは白い四角の横にそれぞれの項目が出てきます。

この四角の中にレ点が入っているとその項目がマップに表示されるという仕組みになっています。

はじめにでてくる地耐力という項目がありますよね。

そこにレ点が入っている状態ですので、丸印として各場所の地盤の状態が出ているのです。
地耐力は初期設定でもチェックが入っているかと思います。

地盤力とは家を支えるために最も重要な要素となるものです。

池や川に近い低い土地、川、田んぼを埋めた地盤は柔らかい場合が多いです。

家を建てる場合は、地盤の強度を調べ地盤調査をします。そして地盤の状態によって補強工事のやり方も様々です。

自分で調べられる地盤のチェックシート

  • 昔、海であった土地
  • 近くに川や池や沼がある
  • 近くの電信柱が傾いている
  • 地面に波うちやひび割れがある
  • 地名も考える(地名は昔に作られているので、川や沼に関連する地名、水辺に住んでいた動植物の地名で昔はどういった場所だったのかが想定できます

最後の地名も考えるについてはこちらを参考下さい。

湿地や水田に由来する地名―主に、田がつく名前。野田、牟田、新田など湿地や低湿地に由来する地名―○津など(神奈川や三重にある)

昔、船着き場であったなど水辺の動植物の名が付く地名―○鷺、○鶴(鶴○)、○鵜、○蓮など

水に関連する文字のつく地名―○船、○橋(橋○)、○堀、堤(ツツミ) 沖○など

地盤力が弱いとどうなるでしょうか?

地盤力が弱いとどうなるのかですが、基本的に最も言われている不具合をいくつかお載せします。

  • 家が傾いてしまいます
  • クラックにひびが入り基礎や外壁に亀裂が入ります
  • ドアの開閉不能が困難になります
  • 家屋が傾いて排水が悪くなります
  • 資産価値が低下します
  • 目まいや肩こりなど健康に影響を及ぼします

地震の揺れやすさを調べるには

次に地震が起こった際の揺れやすさを調べる方法を説明します。

地耐力と揺れやすさ

上のマップの全体的に入っている赤や黄色、緑などは、際ほどの地盤力の下にある、地震時の揺れやすさにレ点を入れることによって表示することが出来ます。

地震による揺れやすさが10段階のレベルで色分けされて表示されますのでわかりやすくイメージも付きやすいですね。

地盤の揺れは震源地に近いかどうかだけでなく、地盤が柔らかいかどうかということと、揺れの増幅がしやすいかどうかにかかっています。

東日本大震災でも地盤の軟弱度の違いによる被害差がでたと報告されています。

たいさくんたいさくん

人工的に埋め立てた土地で昔は川や海、沼だった場所は揺れやすいて言われてるよ

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生活情報の使い方

地盤情報とはまた違いますが生活情報では一日平均駅乗降客数、小学校区、中学校区、都市公園、医療施設、バス停留所、用途地域を調べることができます。

各項目毎に表示できる縮尺度が違います。
実際にレ点をつけても何も変化がなければ、マップの拡大や縮小をして使用してください。

一日平均駅乗降客数

一日平均駅乗降客数

駅の一日の乗降客数の平均がわかります。

普段、通学や通勤で使用している場合はわかることですが、引っ越し先の最寄り駅や職場や環境が変わり新たに違う駅を利用する際などに参考にできると思います。

自宅から2つの駅までがほぼ同距離で、どちらを利用するか迷った際にも便利ですね。

小学校区、中学校区

小学校区

小学校区や中学校区の使い方は同じで、小学校区は青色、中学校区は緑色で区切られております。

また、地図上でクリックすることにより、その区にある学校名や学校の住所が表示されます。

都市公園、医療施設、バス停留所

都市公園、医療施設、バス停留所

都市公園、医療施設、バス停留所などはマップ上にある、公園、医療施設、バス停がイラストで表示されます。

医療施設は病院、診療所、歯科診療所の3種類があり、右上の医療施設▼をクリックすることによって、イラストの詳細が説明されております。

用途地域

用途地域

用途地域では住宅地域なのか、商業地域や工業地域なのかなどがわかります。
詳細はマップ画像の右上部から確認することができます。

過去の航空写真の使い方

過去の航空写真

左側の確認したい年の航空写真▼をクリックをすると、年代別に過去の航空写真に切り替えることが出来ます。

過去どのような場所だったのかを航空写真で見られますので、こちらを使用することによって埋め立て地だったかどうかを知るることもできます。

最新の航空写真

ちなみに最新の航空写真で現在の街並みを見ることもできるので、昔と今の違いを比べてみるのにも活用してください。

地盤情報の使い方

専門性があり少し難しくなりますが各説明については、国土交通省にて調べることが可能です。

地質図
地表部の地質の種類や年代を色と記号によって表示することができます。
縮小した方がわかりやすいです。

微地形区分図

その場所がどんな種類の地盤かなどが色分けによってわかりやすくでてきます。

国土交通省-地形分類について

土地条件図

人工的な地形変化の詳細を色と記号で表示しています。

詳細はマップの右にある土地条件図凡例をクリックすることにより、調べることができます。

国土交通省-土地条件図について

治水地形分類図
治水対策を目的として、国が管理する平野部の河川などに地形分類や河川工作物等が盛り込まれた所に表示されます。
現在では都市周辺の河川が主となります。

国土交通省-治水地形分類図について

旧版地形図
こちらは字のごとく昔の地図を表示します。
過去の航空写真のように、昔と今を見比べてみるのもいいですね。

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防災情報の使い方

防災情報では液状化の可能性のほか、活断層の場所、浸水や土砂災害が注意される場所、震度5以上の大きな地震発生率をマップとして調べることができます。

あらかじめ把握しておくことによってできる防災対策もありますので、地耐力や地震時の揺れやすさと共に意識しておきましょう。

液状化の可能性

液状化とは簡単に言うと地震動によって地盤が一時的に強度を失い、液体の様になってしまう現象のことをいいます。

液状化が起こる要因として3つの条件があります。

  • その土地が砂地盤で同じ成分や大きさの砂が堆積している
  • その砂が地下水によって水を含くみ緩くなっている
  • 大きな地震による揺れ

液状化の可能性

地盤サポートマップでは液状化の可能性にチェックを入れることにより、色別で液状化の可能性の高さを見ることができます。

赤に近づくにつれ、液状化の可能性が高く新しい埋め立て地や、昔に川や沼、池などがあった場所、大河川の沿岸、過去に液状化が起こった土地などは特に注意が必要です。

液状化が起こると

  • 公共施設の損壊(歩道が盛り上がり、地面から水が噴き出します)
  • ライフラインの断絶(電柱の傾き、水道管の損傷がありライン途絶えてしまいます)
  • 家屋の倒壊
  • 健康被害(平衡感覚がくずれ目まいや頭痛が出てきます)

などの現象が起きてきます。

活断層図とその他活断層帯

活断層

こちらはマップを縮小して見ていますが、赤い線が活断層で黒い線がその他活断層帯となります。

活断層とその他の活断層帯に違いは、地震調査研究推進本部による定義によってわけれらております。

浸水想定区域と土砂災害危険箇所

浸水想定区域と土砂災害危険箇所

浸水想定区域と土砂災害危険箇所については、水害や地震などによって浸水の恐れや土砂災害の危険性を色別にし確認することができます。

主要都市では浸水被害、山間部や沿岸部では土砂災害の危険性が高くなっているのがわかります。

地震の発生確率

地震の発生確率

今後、30年以内の震度5弱以上と震度6弱以上の地震発生確率を色別に表示しています。

色が濃くなるほど発生率が高くなっております。

避難所情報

避難所情報

避難所情報はマップ上にある避難場所を緑色の人型のイラストで表示され、地震や洪水、津波など8種の災害別に選択することができます。

上の地図は全てにレ点を入れた状況です。

そして、イラストをクリックすることによって、避難場所の建物の名称や住所なども表示されますので、お住まいは勿論のこと、学校や勤め先近辺の避難情報もチェックして、いざという時のために備えておきましょう。

その他の機能

その他の機能として最後に背景地図を選択できます。

4種類からお好みで使用することができますが、こだわりなどがなければ初期設定である「地理院 標準地図」のままで良いかと思います。

その他の機能

こちらの一番左側にある、各アイコンではマップの拡大と縮小や直線距離の測定、図形の挿入やマーカー付けなどを行うことができますので、用途に応じてご使用下さい。

まとめ

地震サポートマップの基本的な活用の仕方は前回ご紹介しました。

今回はそれに関する応用編ともいうべき、画面切り替えの活用の仕方を図を交えて説明致しました。

地盤サポートマップはパソコンを持っている方はグーグルクロームかエクスプローラ10以上で使用できます。
また、スマートフォンでも使用できますし、アプリもリリースされております。

地盤サポートマップは非常に良く作られたマップです。

家の購入を考えている方にも是非活用してもらえればと思います。

折しも国土交通省はある会社が免賑・制振装置の検査データーを改ざんをしていたことの報告をして、このことが話題になっています。

国も災害に関しての取り組みを進めています。

みなさんも災害に対する危機感を高めて自分の出来る範囲内のことはやっていきましょう。

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